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高齢者施設におけるノロウイルス予防と感染管理|Kiraliaきらり|キラリアハイジーン株式会社

作成者: Kiraliaきらり|Feb 9, 2026 2:32:53 AM

2025-2026年シーズンのノロウイルス流行予測

 

ノロウイルスは数年おきにウイルスの遺伝子型が変異し、大きな流行を起こす傾向があります。また冬期は乾燥と低温により、流行が一気に進みます。2024/2025シーズンでは年始から増加傾向となり、3月に大きなピークがみられました。そのため、今後も春先にかけて警戒が必要と言えます。

 

ノロウイルスの特徴

 

なぜノロウイルスはこれほどまでに怖いのでしょうか?その理由は下記にあります。

感染力が非常に強い

・少ない数のウイルスでも感染することがあります。

不活化されにくい(生命力が強い)

・アルコール消毒への耐性が強く、乾燥した環境でも数週間生存し続けることがあります。

一定の潜伏期間

・感染から1248時間と少し時間が経過したあとに発症するため、対策が後手に回りやすくなります。

 

ノロウイルスのワクチンは無い


 残念ながら、2026年現在もノロウイルスに対するワクチンは実用化されていません。つまりワクチンによる事前の免疫獲得ができないため、物理的にウイルスを広げない対策が基本となります。もちろん、抗インフルエンザ薬のような特効薬もまだ開発されていません。

 

ノロウイルス感染の主な症状や高齢者に留意すべき点

 

高齢者の場合、主な症状や留意することは下記となりますが、目立つ症状がなかったり、症状があっても典型的でない場合があり、注意が必要となります。

  1. 主な症状(典型的な症状):突発的な嘔吐、繰り返される下痢や激しい下痢、発熱
    *発熱は軽度のことも多い
  2. 高齢者に特に留意すべき症状:食欲がない、なんとなく元気がない、動きが緩慢になっている 等

 

 

 

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスの人から人への感染経路は、吐物・便からの接触感染と、空気中に舞い上がったウイルスを吸い込む塵埃(じんあい)感染が主となります。

 

感染拡大予防①【手洗いと消毒】

 

感染拡大予防は、手洗いが鉄則となります。施設内感染者の有無にかかわらず、平時から頻回に手洗いをするようにしましょう。また、ノロウイルスに対する消毒はアルコールが有効ではなく、次亜塩素酸ナトリウムが基本となります。汚染可能性がある場所は次亜塩素酸ナトリウムでしっかり消毒するようにしましょう。

 

感染拡大予防②【隔離の判断】

ノロウイルスの診断は、糞便を用いた迅速キットによるものが主流で、この検査では1520分と短い時間で検査結果が出ます。とはいえ、現実的には検査するまでに時間がかかることも多いかと思います。また、症状がある方全員を即時に検査することは難しいでしょう。しかし、検査を待っていると感染拡大を防ぐことは困難となります。そのため、疑わしい症状がある場合は、ノロウイルス感染疑いとして対応が必要となります。対象者の隔離判断と、その後の流れの目安は下記になります。

【隔離判断とその後の流れ】

  1. 1回目の嘔吐、または激しい下痢や数時間の間に連続して下痢が発生
  2. 感染疑いと判断し、暫定的に隔離を開始
  3. 汚染箇所があれば消毒(次亜塩素酸ナトリウム)
  4. 連携先があれば)医師へ報告し、指示を仰ぐ


 

 感染拡大予防③【隔離方法と解除の基準】

隔離方法は感染時の原則として、物理的に隔離する方法が主となります。また、隔離解除の判断は、下痢等の症状が治まってすぐに解除ではなく、症状改善後の48時間後が推奨されます。

 

隔離方法:原則個室。困難な場合は、固定のスタッフが対応する形を徹底します。

解除基準:症状が消失してから48時間(2日間)が推奨されます。

症状が消えても、便中には1週間〜1ヶ月近くウイルスが排出され続けるため、隔離解除後もその方の排泄介助後は、特に念入りな手洗いが必要です。

なお、隔離解除前に迅速キット検査による陰性確認は、保険診療では認められていませんので、留意が必要となります。


 医師への情報共有の内容

最後に医師が迅速に診断・指示を出すために、医師に相談する際は、下記の情報を一緒に伝えるようにしましょう。

 

  1. 最初の症状が出た時刻(症状には「食欲低下」や「元気がない」も含まれます)
  2. 嘔吐・下痢の回数と形状(「水みたいな下痢」、「ドロドロした下痢」等)
  3. 症状が出たあとの摂食量と飲水量および排尿量(おおよそ直近24時間)
  4. 周囲(施設内・同フロア・同部屋)に感染者もしくは似た症状の利用者がいるか

ノロウイルス対策は、スタッフ全員が「同じ基準」で動けるかどうかが非常に重要です。

「これまでのやり方で大丈夫かな?」と不安を感じたら、一度、感染対策方法を見直しましょう。