現場で役立つコラム きらり情報室|Kiraliaきらり|キラリアハイジーン株式会社

~私達のための包括的性教育~ 多様性って何だろう|Kiraliaきらり|キラリアハイジーン株式会社

作成者: Kiraliaきらり|Dec 26, 2025 3:49:16 AM

「僕は女の子です、女子と一緒に着替えたい。」

 
 幼児の集団生活での一幕。日頃は男子と女子の間にパーティションを作り着替えを行っていた。ある幼児が言った上記の一言で先生は困惑する。今までは男女で分けており男子として接していたからである。すると、ある別の園児「じゃあみんな1人ずつお着替えをしよう」と提案した。先生は時間がかかる事を想定した上で個室のような環境を作り、着替えを見守る事にし事態は平和におさまった。

 これはある講座の中で参加者が話してくれた内容だ。この様なことは、老人ホームや病院などでも同様に起こっている。もし、今までと違った意見が出てきたとしたら初めは戸惑うかもしれないが、是非話し合うきっかけにして欲しいと思う。

 2024年度、企業で働く男性の育児休暇取得率は40.5%(厚生労働省)に達した。この制度を世界で初めて導入したスウェーデンでは現在90%である。日本にあった「男は仕事」「女は家庭」という固定観念は今大きく変わろうとしている。新しい価値観に対応を迫られているが、一部の人が困惑するケースがあり、社会全体で考えていく視点が必要である。少数派の意見を尊重し共に考える姿勢は、包括的性教育において必要な視点であり、傷つく人をなるべく出さないインクルーシブな社会へと繋がっていく。
 

他人を理解し自分を守れる社会

 

 スペインの建築家ガウディをご存じだろうか。彼はサグラダ・ファミリアを作り瞬く間に有名になったが、それまでの期間は「一風変わった建築家」として中々理解されなかったという。彼は「自然な物には直線は無く曲線や歪な物ばかりだから建築にも活かしたい」と主張し、様々な形で建物を表現した。それまでは同じ様な建物が多かったため、曲線を使った建築は多くの建築家を驚かせ、現在に至るまで影響を与えている。確かに自然な物には同じ物は一つも無い。これは人間にも同じ事が言える。同じように見える肌色も人によって微妙に違い、爪や髪1本にしても異なるのである。それは見た目だけの問題ではない。わたしたちの""も同様に異なっていることを示している。

 フランスの中学校では授業の中に包括的性教育の一環で、皆で「不妊」「遺伝」などについてディスカッションする機会をもうけている。話していく中で、自分とは違う意見を知り、相違を学んでいく必要があるからだ。人と人とは意見が違い、受取り方も違う。それは当たり前のことであるが、性的同意においても影響を与えてくる。たとえば日本特有の「嫌よ嫌よも好きのうち」は誤解であるし、「相手のために我慢する」といった行動は次第に生きづらさとなってくるからだ。誰しもが違う人間である事を学べば、他人を理解し自分を守れる社会につながっていくのではないだろうか。

 ガウディが愛したスペインのモンセラー 

 

包括的性教育を求める声

 
 オランダでは3歳からの包括的性教育が義務づけされており、春には「性のモゾモゾ週間」というイベントを開催する。学校の教師だけでなく親や医療者、地域のサポーターが集まり、いのちの成長やジェンダーや人間関係などについて深く学び、誰しもが大切な命である事を知る。
日本でもコロナ禍やジャニーズ事件をきっかけに「自分を守れるように」「他人を大切に出来る人になってほしい」という保護者からの声が増え、個々での講座依頼が増えつつある。しかし、依頼してくる施設は少数にとどまっており教育の偏りが生じている。こどもの経験格差ともいうべき事態にならないよう、学校教育などに義務化を望む声が絶えない。
これは(下添付写真)先日ある保育園で実施した包括的性教育の様子。様々な媒体を用いて年齢に合う形で助産師がいのちの話を行う。鎌倉助産師会は、こどもや子育て世代の方を対象とした講座や広場など地域に根ざした活動を行っている。

 執筆者所属団体 鎌倉助産師会のご紹介


鎌倉助産師会は地域(鎌倉逗子地域)の母子やご家族の支えになるような活動をするために集まった、有志の助産師団体です。包括的性教育や防災、卒乳、更年期などのテーマを扱う講座や依頼に応じた出張講座、イベント出展、無料のオンライン相談などを行っています。個々の助産師の興味や得意な分野を生かして活動を行っています。人に寄り添う助産師ならではの視点や知見をもって地域づくりに貢献出来たらと考えています。