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RSウイルス予防と感染管理|Kiraliaきらり|キラリアハイジーン株式会社

作成者: Kiraliaきらり|Apr 27, 2026 2:07:45 AM

2025-2026年シーズンのRSウイルス流行予測

 

RSウイルスは、2026年も例年通り、春から感染が増加しはじめ、夏から秋(7月~10月頃)を中心に大きな流行が予測されます。しかし、秋が過ぎ、冬になっても流行が収まらない、あるいは通年を通して散発的な発生が続くことが多くなっており、従来の「冬の感染症」というイメージは捨て、1年を通して警戒レベルを維持する必要があります。

また、保育施設での流行が落ち着いた後に高齢者施設で発生するなど、地域全体での動向にも注意してください。

 

RSウイルスの特徴

RSウイルスは、何度も再感染するウイルスです。健康な成人は軽症(鼻風邪程度)で済むことが多いですが、乳幼児や高齢者は重症化のリスクが高くなる傾向にあります。

 対象者別の留意点(重症化のリスク)

乳幼児

特に生後6ヶ月未満の乳児、早産児、先天性心疾患や慢性肺疾患・免疫不全のある乳幼児は 重症化のリスクが非常に高くなります。 また、こういった基礎疾患がなくても、細気管支炎(細い気管支に起きる炎症)や肺炎を引き起こすと、入院での治療が必要になることがあります。

高齢者(高齢者施設)

 免疫力の低下、慢性的な基礎疾患(呼吸器、心疾患、糖尿病など)がある場合、肺炎へ進行して重症化しやすくなります。インフルエンザと比較しても重症化率、死亡率が高いという報告もあり、油断は禁物です。

一定の潜伏期間

 感染から4~6日経ってから、症状が出始めるため、初期対応が後手にまわりやすくなります。

 

RSウイルスのワクチン・予防薬について

近年、高齢者向けのワクチンが登場するなど、状況が大きく変わっています。

乳幼児

・ワクチン: 2026年現在、乳幼児向けのワクチンはありませんが、妊娠時に母体を通じて、胎児にRSウイルスに対する抗体を獲得させるワクチンが実用化されています。
・予防薬(抗体製剤)*: 重症化リスクの高い乳幼児(早産児、心肺疾患児など)を対象に、抗体製剤が実用化されています。流行期間中に注射することで発症・重症化を防ぎます。

高齢者

・ワクチン: 60歳以上の高齢者等を対象としたワクチンが承認・実用化されています。基礎疾患がある高齢者には、積極的な接種が推奨されています。

【*抗体製剤について】
抗体製剤はワクチンとは異なり、ウイルスと戦う抗体自体を注射しますが、ワクチンと同様に感染予防や重症化予防が目的となります。方法としては、RSウイルスの流行期間中に投与する形をとりますが、非常に高額な薬剤であり、保険適応も早産児や先天性心疾患がある乳幼児などに限られていますので、詳しくはかかりつけの小児科に問い合わせるようにお願いします。

 

RSウイルスの感染経路

RSウイルスの感染経路は、くしゃみ等を介する飛沫感染とウイルスに触れ、それが体内に入ることによる接触感染が主です。

飛沫感染

咳やくしゃみのしぶきを吸い込むことで起きる感染

接触感染

ウイルスが付着した手でおもちゃや手すりなどに触れ、そこを触った手で口や鼻を触ることで起きる感染

 

RSウイルスの症状に気づくポイント

初期症状は基本的に風邪と区別がつきません。一方、重症化を予防することで、感染者の入院等を防ぐだけでなく、さらなる感染拡大の予防にもなるため、そのサインを早期に見極めることが重要となります。

主な初期症状と重症化のサイン

初期症状(共通)

 発熱、鼻汁、咳など、一般的な「風邪(感冒)」と同様

重症化のサイン

・共通: ひどい咳、ヒューヒュー・ ゼーゼーという呼吸音(喘鳴)、呼吸が荒い、肩で息をする、顔色・唇の色が悪い(チアノーゼ)。
・乳児: ミルクを飲まない、活気がない
・高齢者: 食欲低下、いつもと様子がおかしい(出来ていたことが出来ない等)

保育者や介護スタッフの方々へ

健康な成人では、RSウイルスにかかった際の症状は通常、感冒様症状のみですが、RSウイルスに感染した乳幼児や高齢者を保育/介護するスタッフ様が一度に大量のウイルスに曝露されて感染することによって、症状が重くなる場合がありますので、日ごろからの感染予防が非常に重要となります。

 

感染拡大予防策①【手洗いと消毒】

ノロウイルスなどとは違い、RSウイルスは一般的な消毒用アルコール(消毒用エタノール)がしっかり効きます。また次亜塩素酸ナトリウム による消毒も有効となります。

手洗い

接触感染予防のため、石けんと流水で30秒以上しっかり洗い流す。

消毒

RSウイルスは、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。ドアノブ、手すり、おもちゃなどの共有物品は頻繁にアルコールで拭き、環境を清潔に保ってください。特に感染者がいる場合は、念入りに行いましょう。

その他

特に施設内で感染が流行している時は、飛沫感染・接触感染を予防するために、マスク着用を徹底しましょう。また、塵埃感染ほどではありませんが、部屋の換気をこまめに行うことで感染拡大予防の効果があります。

 

 

感染拡大予防策②【隔離の判断(症状とタイミング)】

初期症状は通常の感冒と似ているため、初期の段階で隔離判断をすることは非常に困難になりますが、以下の強い症状が見られたら、直ちに隔離等の対応を実施してください。

隔離のタイミングと判断

タイミング

園児や入居者の症状に気づいた時点。

判断基準

①    <可能であれば>
咳、鼻水、発熱などの感冒症状がある場合

②    <「①」が難しい場合>
ひどい鼻水、激しい咳、呼吸がゼーゼー・ヒューヒューする(喘鳴)、ミルクを飲まない・食欲がない、高熱といった強い症状がある場合

隔離判断後の流れ

  1. 判断基準に沿い、暫定的に隔離を開始

  2. 汚染箇所があれば消毒および換気
  3. (高齢者施設で、連携先がある場合)医師へ報告し、指示を仰ぐ 
    (上記以外)症状に応じて、受診を検討。特に重症化のサインに該当する症状がある場合は、早期に受診(もしくは保護者に対して強い受診依頼)

 感染拡大予防策③【隔離方法と解除の基準】

隔離方法は原則として、物理的に隔離する/物理的に距離を取る方法が主となります。

隔離方法

原則は個室管理となりますが、困難な場合はゾーニング、ベッド間隔を空けて対応しましょう。対応するスタッフを固定として、必ずマスクを着用しましょう。オムツ替えや鼻汁処理のあとは、特に念入りに手洗いを実施するようにお願いします。

解除の目安

法令で定められた隔離期間はありませんが、呼吸器症状(特に咳や鼻汁)がほぼ消失し、食欲なども戻ってから解除実施を目安としましょう。

注意

症状が治まっても、ウイルスは排出され続けています(発症後、約1~2週間排出)。そのため、隔離解除後も、特にRSウイルスにかかった後の乳幼児や入居者に接する際は、手洗いの徹底を継続してください。

 

 医師への情報共有の内容

医療機関で診察もしくは医師等へ相談の際は、医師が迅速に診断・指示を出せるように、下記の情報を一緒に伝えるようにしましょう。

  1. 最初の症状が出た時刻(症状には「食欲低下」や「元気がない」も含まれます)
  2. 重症化を示す症状があるか(呼吸がゼーゼーしている、顔色が悪い等)
  3. 症状が出たあとの摂食量と飲水量および排尿量(おおよそ直近24時間)
  4. 周囲に感染者もしくは似た症状の者がいるか
  5. 乳幼児の場合、早産児や先天的な病気があるか

RSウイルスは、通年化しているため、1年を通して手洗い、アルコール消毒、換気といった基本的な感染対策を徹底することが求められます。平時より感染対策をすることで、その影響を最小限に抑えることが可能となりますので、ぜひ一度対策の確認・見直しを行いましょう。