高齢者施設におけるインフルエンザ予防と感染管理

2026.01.28

インフルエンザから入居者様とスタッフ様を守るために

施設を守る!入居者様を守る!インフルエンザを予防して、安心な冬を迎えましょう。
この資料は、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームの施設長・看護師の皆様向けに、インフルエンザ感染に関して、現場で役立つ情報をまとめています。

25-26年シーズンのインフルエンザ流行予測


今年のインフルエンザシーズンは、A型(H1N1H3N2)とB型の複数型混合流行が予測されます。特にH3N2型は、高齢者において重症化しやすい傾向があるため、注意が必要です。

 

ワクチン接種による高齢者の予防効果 *1


インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありませんが、発症を抑え、重症化や合併症(肺炎など)を予防する効果が期待できます。

 

インフルエンザワクチンの効果

発症予防効果約30~50%
重症化予防効果80%

 

インフルエンザの症状に気づくポイント


インフルエンザは、一般的な風邪と症状が似ることが多いですが、症状の進行が早く、重症化しやすい傾向があります。

 

インフルエンザの主な症状

突然の発熱
(38度以上が多い)
倦怠感
呼吸器症状
(鼻声、咽頭痛等)

また、高齢者のインフルエンザは、微熱程度の発熱など典型的な症状が出にくい場合があるため、いつもと違う変化の気付きが重要です。特に留意するポイントは以下となります。なお、一般的に症状が始まってから、34日が最も感染力が強いと言われています。

 

高齢者の症状観察で特に留意すること

呼吸状態の変化として呼吸促拍、痰量増加がみられる
活動性の変化として元気がない、食欲がないがみられる
水分量変化(脱水)として皮膚乾燥、尿量低下がみられる
意識の変化としてぼんやり、反応が鈍いがみられる

 

隔離を検討する症状とタイミング


隔離判断は非常に難しく、施設に感染者がいない時は、特に感染を疑うことが難しくなります。

そのため、各都道府県のインフルエンザ感染の流行情報などを確認し、流行期であれば、症状がある入居者に対して、感染を疑いながらケアを実施し、抗原検査を連携先医療機関等に依頼しましょう。すでに感染者がいる場合は、主な症状等を参考に、検査を依頼しましょう。抗原検査は症状発現後12時間以降の実施が推奨されます。

 

感染拡大予防策 *2

 

感染予防にはスタンダードプリコーション
(標準予防策)*3の実施が基本となります。感染流行期は特に徹底しましょう。

 

感染経路

飛沫感染が主な経路となり、くしゃみなどで感染が広がります。また接触での感染もあるため、手洗いだけでなく、ドアノブなどの消毒も重要となります。

飛沫感染
接触感染

 

 マスク・ガウンについて 

  • 介護者だけでなく、可能であれば、感染者にもマスクをして頂くことが重要です。
  • 飛沫感染が主のため、ガウンは必須ではありませんが、咳などが多い感染者のケアや、吸痰処置などを行う場合は、衣服への付着を防ぐため、ガウン装着が推奨されます。
マスクの着用
ガウン装着を推奨

 隔離 

個室隔離が難しい場合、以下の方法があります。

同室内に感染者と非感染者を混在させる場合

ベッドを2m以上(飛沫が届く距離の目安)あけ、パーテーションやカーテンで区切りしましょう。

複数の感染者をひとつの部屋に集約できる場合

複数の感染者をひとつの部屋に集約できる場合
感染者の部屋移動が可能な場合は、複数の感染者をひとつの部屋に同室化し、感染の拡大を
防ぎます

 

 隔離解除 

 発症した後5日経過、かつ症状改善後2日を参考に解除を検討しましょう。 

 

*1:厚生労働省 新興・再興感染症研究事業「インフルエンザワクチンの効果に関する研究」を参考に作成
*2:厚生労働省「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」を参考に作成
*3:スタンダード・プリコーション:「すべての患者の血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、創傷皮膚、粘膜等は、感染する危険性があるものとして取り扱わなければならない」という考え方およびそれに付随した感染予防行動

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